ドアノブが開かなくなるトラブルは、取り付けられているドアノブの種類によって、起こりやすい原因や対処法が異なる場合があります。自宅のドアノブがどのタイプなのかを知っておくと、いざという時に原因を推測しやすくなります。最も一般的なドアノブの一つが、丸い形状で握って回すタイプの「円筒錠」です。このタイプは、比較的構造が単純ですが、長年使用していると、内部のスプリングが劣化したり、ラッチボルトの動きが悪くなったりして、ノブが回らなくなったり、戻らなくなったりすることがあります。また、内側のボタンを押して施錠するタイプでは、そのボタンが固着してしまうトラブルも起こり得ます。応急処置としては、潤滑剤の塗布やネジの緩み確認が基本となります。次に、レバーを下げて操作する「レバーハンドル錠」です。このタイプは、少ない力で開閉できるため、バリアフリーの観点からも普及しています。レバーハンドル錠でよくあるトラブルは、レバーを下げても元に戻らない、あるいはグラグラするといった症状です。これは、内部のバネ(レタンスプリング)が折れたり、緩んだりしていることが原因である場合が多いです。バネの交換は専門的な作業となるため、プロに依頼するのが一般的です。比較的新しい住宅に多く見られるのが「チューブラ錠」です。ドアノブ(握り玉またはレバー)とラッチ部分が独立しており、錠ケースが円筒形(チューブ状)になっているのが特徴です。構造がシンプルなため、比較的安価ですが、耐久性はそれほど高くないものもあります。ラッチの不具合や、ノブ・レバー内部の部品破損などが開かない原因として考えられます。玄関ドアなど、より高い防犯性が求められる場所に使われるのが、箱型の錠ケース(ロックケース)を持つ「箱錠(ケースロック)」です。内部構造が複雑で、耐久性も高いのが特徴です。このタイプが開かなくなる場合は、錠ケース内部の部品の摩耗や破損、あるいはデッドボルト(かんぬき)とラッチボルトの連携不具合などが考えられます。分解・修理は非常に難しいため、プロへの依頼が必須となります。このように、ドアノブの種類によって弱点や故障しやすい箇所が異なります。トラブル発生時には、まずドアノブの形状や特徴を確認し、種類を特定することが原因究明のヒントになります。
ドアノブ種類別開かない原因と対処の違い