「うちは大丈夫だろう」多くの人がそう思っています。しかし、古い鍵を使い続けている家は、空き巣にとって格好のターゲットとなり得るのです。実際に古い鍵が原因で空き巣被害に遭ってしまった、という悲しい事例は後を絶ちません。ここに、ある一軒家の事例をご紹介します。その家は築25年ほどで、玄関の鍵は新築当時から一度も交換されていない、旧式のディスクシリンダーでした。住人の方は、鍵が古いことは認識していましたが、「特に壊れてもいないし、交換は面倒だ」と考え、そのままにしていたそうです。ある日の昼下がり、家族が短時間留守にしたわずかな隙を狙って、空き巣が侵入しました。帰宅した家族が目にしたのは、荒らされた室内と、なくなっていた現金や貴金属でした。警察の捜査によると、玄関の鍵にはピッキングされた痕跡が残っていたとのこと。犯人は、ディスクシリンダーがピッキングに弱いことを知っており、短時間で容易に解錠して侵入したものと見られました。この事例から分かるのは、古い鍵、特にディスクシリンダーの防犯性の低さです。プロの空き巣にかかれば、数分とかからずに開けられてしまう可能性があるのです。たとえ昼間であっても、短時間の外出であっても、油断はできません。また、別の事例では、古いアパートに設置されていたピンシリンダー錠が狙われました。これも構造が比較的単純なため、バンピングと呼ばれる特殊な方法で簡単に解錠されてしまったのです。住人は鍵をかけていたにも関わらず、被害に遭ってしまいました。これらの事例は決して他人事ではありません。もしご自宅の鍵が、鍵穴が縦一文字や「く」の字型のディスクシリンダーであったり、ギザギザの山が単純な形状のピンシリンダーであったり、そしてそれが長年交換されていないものであれば、同様の被害に遭うリスクを抱えていると言えます。被害に遭ってから後悔しても遅いのです。大切な財産と家族の安全を守るために、まずはご自宅の鍵の種類と状態を確認し、必要であれば早急に防犯性の高い鍵に交換することを強くお勧めします。