あれは忘れもしない、夏の暑い日のことでした。スーパーで買い物を終え、両手にたくさんの荷物を抱えて車に戻った私は、とりあえず後部座席のドアを開けて荷物を置き、その拍子にキーレスリモコンも一緒にシートに置いてしまいました。「すぐに運転席に乗るから大丈夫だろう」と、軽く考えて後部座席のドアを閉めた瞬間、「カチャ」という嫌な音が…。そう、無情にもドアがロックされてしまったのです。いわゆる「インロック」、キーの閉じ込みです。私の車は、一定時間操作がないと自動でロックがかかる機能が付いていたのをすっかり忘れていました。キーレスリモコンは車内、そして私は車外。スペアキーは自宅。ここは自宅から少し離れたスーパーの駐車場。一瞬にして血の気が引きました。スマートフォンは持っていたので、まずは落ち着こうと深呼吸。そして、加入しているJAFに連絡しました。幸い、会員だったので無料で対応してもらえるとのこと。電話で状況と場所を伝え、待つこと約30分。JAFの隊員さんが到着し、特殊な工具を使って、ものの数分でドアを開けてくれました。本当に地獄に仏とはこのことか、と心から感謝しました。この手痛い経験から学んだことは、キーレスリモコンだからといって油断してはいけない、ということです。特に、荷物の出し入れなどで一時的に車から離れる際も、リモコンは必ず身につけておく、あるいは車内に置かない、ということを徹底しなければなりません。自動ロック機能がある場合は、その作動条件を正しく理解しておくことも重要です。また、万が一に備えて、JAFや任意保険のロードサービスの内容を確認し、連絡先をすぐに取り出せるようにしておくこと、そして可能であればスペアキーを信頼できる場所に保管しておくことの大切さを痛感しました。キーレスは非常に便利ですが、その便利さゆえの落とし穴もあるのだと、身をもって知った出来事でした。