自宅のドア、特に玄関ドアの閉まる速度が気になったことはありませんか?「バタンと閉まる音がうるさい」「閉まるのが遅くてイライラする」「風が強い日に勢いよく閉まって危ない」など、ドアの閉まる速度に関する悩みは意外と多いものです。これらの問題の多くは、ドアクローザーの速度調整ネジを少し操作するだけで、簡単に解決できるかもしれません。ここでは、その基本的な調整方法、いわば「簡単調整術」をご紹介します。まず、調整を始める前に、ドアクローザー本体をよく観察しましょう。通常、本体の側面や端に小さなネジ穴がいくつか並んでいます。これが速度調整ネジです。多くのドアクローザーでは、主に2つの速度区間を調整できます。一つ目は、ドアが開ききった状態から閉まり始める中間あたりの速度(第一速度)、二つ目は、ドアが閉まる直前の速度(第二速度、ラッチングアクションとも呼ばれます)です。どのネジがどの区間を調整するものかは、本体に刻印されていたり、取扱説明書に記載されていたりします。もし分からない場合は、ネジの近くに「1」や「2」といった数字が記されていることが多いので、それを目安にしましょう。調整には、ネジの頭に合ったドライバー(プラスかマイナス)が必要です。調整作業は、まず第一速度から行うのが一般的です。ドアを実際に開閉させながら、希望の速度になるように調整ネジを少しずつ回します。右(時計回り)に回せば遅く、左(反時計回り)に回せば速くなるのが基本です。一気に回さず、4分の1回転程度ずつ、微調整を繰り返すのがコツです。第一速度が決まったら、次に第二速度を調整します。この区間は、ドアが確実に閉まりきるための最後の押し込み動作なので、完全に停止してしまわないように、かつドア枠に激突しない程度の適切な速度に設定することが重要です。調整が終わったら、何度かドアを開閉させて、スムーズに、そして安全な速度で閉まるかを確認しましょう。ただし、ネジを緩めすぎると油漏れの原因になることがあるので注意が必要です。この簡単な調整術で、日々の小さなストレスを解消し、快適なドアの開閉を実現しましょう。