ドアクローザー油漏れ異音の原因と対策


ドアをゆっくりと安全に閉めてくれる便利なドアクローザーですが、長年使用していると、油漏れや異音といった不具合が発生することがあります。これらの症状が現れた場合、放置しておくとドアクローザー本来の機能が失われるだけでなく、ドアの開閉自体に支障をきたす可能性もあるため、早めの対処が必要です。まず、油漏れはドアクローザーの寿命が近づいているサインとして最も分かりやすい症状の一つです。ドアクローザーの内部には、閉まる速度を制御するためのオイルが封入されています。本体の接合部や調整ネジ周辺、アームの付け根などからオイルが滲み出ていたり、垂れていたりする場合は、内部のシール部品が劣化・破損している可能性が高いです。少量の滲み程度であれば様子を見ることもできますが、明らかにオイルが漏れ出している場合は、速度調整機能が正常に働かなくなり、ドアが勢いよく閉まったり、逆に閉まらなくなったりします。残念ながら、内部のオイル漏れは基本的に修理が難しく、ドアクローザー本体の交換が必要となるケースがほとんどです。次に、ドアの開閉時に「キーキー」「ギシギシ」といった異音が発生する場合です。この原因としては、アームの連結部分や、本体とドアや枠を固定しているブラケット部分のネジの緩み、あるいは潤滑不足が考えられます。まずは、各部のネジに緩みがないかを確認し、もし緩んでいればドライバーでしっかりと締め直してみましょう。それでも異音が解消しない場合は、アームの連結部分などに潤滑剤(シリコンスプレーなど)を少量スプレーしてみると改善することがあります。ただし、クレ556のような浸透性の高い潤滑剤は、内部のオイルを溶かしてしまう可能性があるため、使用は避けるのが賢明です。これらの対処を行っても異音が続く場合や、本体内部から異音が聞こえる場合は、内部機構の故障が考えられ、やはり交換が必要になる可能性が高いです。油漏れや異音は、ドアクローザーからのSOSサインと捉え、早めに点検・対処を行うことが大切です。