原付バイクの便利な収納スペースであるメットイン(シート下トランク)。ヘルメットや荷物を入れるのに重宝しますが、うっかり鍵を入れたままシートを閉じてしまい、「インロック(キー閉じ込み)」状態になってしまうトラブルは、多くのライダーが経験する(あるいはヒヤリとする)代表的な失敗例です。手元にスペアキーがあれば問題ありませんが、無い場合は途方に暮れてしまいます。そんな絶望的な状況から脱出するための、いくつかの方法と注意点をご紹介します。まず、絶対に試してはいけないのが、シートを無理やりこじ開けようとすることです。マイナスドライバーなどを隙間に差し込んで力ずくで開けようとすると、シートや車体に傷がつくだけでなく、ロック機構そのものを破損させてしまう可能性が非常に高いです。そうなると、修理費用が高額になるだけでなく、走行中にシートが勝手に開いてしまうなどの危険な状態になりかねません。最も安全で確実な方法は、プロの鍵業者に依頼することです。鍵業者は、専用の工具と技術を用いて、車体を傷つけることなくメットインのロックを解錠してくれます。多くの場合、電話一本で現場まで駆けつけてくれ、比較的短時間で作業を完了してくれます。料金は業者や時間帯によって異なりますが、一般的には数千円から1万円程度が目安です。依頼する際には、車種や状況を正確に伝え、料金と到着時間を確認しましょう。もしスペアキーが自宅など別の場所にある場合は、それを取りに行く、あるいは家族や友人に持ってきてもらうという方法もあります。時間はかかりますが、費用をかけずに解決できます。また、一部の車種では、シートの構造やワイヤーの取り回しによっては、特定の操作で開けられる「裏技」的な方法が存在するという情報もありますが、これは車種に関する深い知識が必要であり、全ての車種に通用するわけではありません。下手に試して状況を悪化させるリスクもあるため、基本的には推奨できません。メットインへのインロックは、ちょっとした不注意で誰にでも起こり得ます。焦らず、無理な力を加えず、プロの手を借りるか、スペアキーを利用するのが賢明な判断と言えるでしょう。
メットインに鍵を入れたままロック!脱出術