勝手口のドアノブが昔ながらの「丸いノブ(握り玉)」であった場合、それを現代的な「レバーハンドル」に交換することで、日々の使い勝手は劇的に向上します。特に、高齢のご家族がいる家庭や、買い物帰りで両手が塞がっていることが多い主婦(主夫)の方にとって、その恩恵は計り知れません。丸いドアノブは、ドアを開ける際に「握る」そして「ひねる」という二つの動作を同時に行う必要があります。これは、握力の弱い高齢者や小さなお子さんにとっては意外と負担の大きい作業です。また、手に荷物を持っている時には、一度それを置かなければドアを開けることができません。一方、レバーハンドルは手のひらや肘で、レバーを上から下に「押す」だけ。たったこれだけの、一つの、そして小さな力のアクションでドアを開けることができます。この操作性の違いは、ゴミ出しや庭への出入りなど、勝手口を使う日常のあらゆる場面でその快適さを実感させてくれるでしょう。では、この丸ノブからレバーハンドルへの交換は自分でできるのでしょうか。答えは「イエス」です。多くの錠前メーカーから、既存の丸ノブ用のドアの穴の大きさをそのまま利用して、レバーハンドルに交換できる「交換用のレバーハンドル錠」が販売されています。製品を選ぶ際には、既存の錠前のメーカーや型番、そして各部の寸法を正確に測定し、それに適合するものを選ぶことが絶対条件です。取り付けのやり方自体は、通常のドアノブ交換とほとんど変わりません。ドライバー一本で作業が可能です。ただし、製品によっては若干の追加工が必要になる場合もあります。もし少しでも不安があれば、プロの鍵屋や工務店に依頼するのが確実です。日々の小さなストレスを解消し、家族みんなにとって優しい勝手口を作る。レバーハンドルへの交換は、そんな思いやりのリフォームなのです。