スペアキーは、いざという時に非常に役立つものですが、その保管方法を誤ると、かえって防犯上のリスクを高めてしまう可能性があります。空き巣などの侵入犯は、意外な場所に隠されたスペアキーを見つけ出す術に長けていることもあります。ここでは、鍵屋さんの視点も交えながら、スペアキーの上手な保管方法について考えてみましょう。まず、絶対に避けるべきなのは、玄関周りの安易な場所にスペアキーを隠すことです。例えば、玄関マットの下、植木鉢の中、郵便受けの中、屋外の電気メーターボックスの中などは、侵入犯が真っ先にチェックする定番の隠し場所です。これらの場所にスペアキーを置くのは、「どうぞ入ってください」と言っているようなもので、非常に危険です。では、どこに保管するのが良いのでしょうか。最も安全なのは、自宅以外の場所に保管することです。例えば、信頼できる親族や友人に預かってもらうのが一つの方法です。ただし、預ける相手は慎重に選び、相手にも負担にならないように配慮することが大切です。また、職場のロッカーや、銀行の貸金庫などに保管するという方法もありますが、これは緊急時の取り出しやすさを考えると、あまり現実的ではないかもしれません。自宅内で保管する場合は、侵入犯が容易に発見できないような、かつ自分や家族が忘れない場所に保管する必要があります。金庫の中に保管するのが理想的ですが、全ての家庭に金庫があるわけではありません。もし金庫がない場合は、普段あまり開け閉めしないような引き出しの奥や、本棚の特定の本の間に挟むなど、一見して鍵だとは分からないような工夫をすると良いでしょう。ただし、あまりにも分かりにくい場所に隠してしまうと、いざという時に自分自身が見つけられなくなる可能性もあるため、そのバランスが重要です。また、スペアキーを複数持っている場合は、それらを一箇所にまとめて保管するのではなく、分散して保管することもリスク分散の観点から有効です。さらに、スペアキー自体に、どの鍵であるかが分かるような目印(タグなど)を付けておくのは便利ですが、その目印に住所や名前を直接書き込むのは避けましょう。万が一、スペアキーが第三者の手に渡った場合に、悪用されるリスクを高めてしまいます。スペアキーの保管は、利便性と安全性のバランスを考えながら、家族構成やライフスタイルに合わせて最適な方法を見つけることが大切です。
鍵屋さん直伝!スペアキーの上手な保管方法